土地のこと

2026.10.17

ダウジングとは。ヨーロッパに伝わる、土地を見る昔からのやり方

目次 [閉じる/開く]
  1. 1. ダウジングとは
  2. 2. いつから行われてきたか
  3. 3. 器具は、なぜ動くのか
  4. 4. 確かめられてきたこと
  5. 5. sumai での扱い
  6. 6. 出典

二股の枝やL字の棒を手に持って、土地の上を歩く。器具が動いたところに印をつける。 ──「ダウジング」と呼ばれるこのやり方は、ヨーロッパで長いあいだ続けられてきました。 いつから、何のために行われてきたのか。資料をもとにご紹介します。

1. ダウジングとは

手に持った器具の動きを見ながら、土地の様子を調べようとする方法です。 使われてきた器具は、おもに次の3つです。

ダウジングで使われてきた器具
L字の棒2本を両手に。先が開いたり交わったりする
二股の枝古くから使われた形。両端を持って先を前へ
振り子糸におもり。回り方や揺れ方を見る

持ち方は決まっていて、たとえばL字の棒なら、短いほうを両手で軽く握り、長いほうを前に向けます。 歩いているうちに棒の先が開いたり交わったりしたところで、立ち止まる。そういうやり方です。

2. いつから行われてきたか

記録に残っているのは、16世紀のヨーロッパです。

  • 1518年 ── マルティン・ルターが、器具を使って探す行為を、 魔術と結びつくものとして戒めたと伝えられています。
  • 1550年 ── ゼバスティアン・ミュンスター『コスモグラフィア』に、 鉱山の断面図の上を歩く人の木版画が載っています。
  • 1556年 ── ゲオルク・アグリコラ『デ・レ・メタリカ』(バーゼル刊)の第3巻に、 二股の枝で鉱脈を探す方法が、くわしく書かれています。

『デ・レ・メタリカ』は、鉱山と冶金の基本書として知られる本です。 おもしろいのは、探すものによって枝の木を変えると書かれているところです。

銀には榛(はしばみ)、銅には梣(とねりこ)、鉛や錫には松、金には鉄や鋼の棒を用いる。

握り方まで細かく書かれている一方で、著者のアグリコラ自身はこのやり方に懐疑的でした。 当時から「本当に当たるのか」は議論の対象だったということです。

その後17〜19世紀にかけて、ヨーロッパからアメリカ大陸へも広がりました。 探す対象も、鉱脈から水脈へと移っていきます。

3. 器具は、なぜ動くのか

手を動かしているつもりがないのに、棒が動く。これをどう説明するか。 いま一般的なのは、観念運動(かんねんうんどう)という考え方です。

思っていることや予想していることが、自分でも気づかないうちに、ごく小さな筋肉の動きを起こすという現象です。1852年にイギリスの心理学者ウィリアム・カーペンターが説明し、 ウィリアム・ジェームズが1890年の『心理学原理』でまとめました。

大事なのは、本人にうそをつくつもりがまったくないことです。 動かしている感覚がないので、外からの力で動いたように感じられます。 コックリさんや自動書記も、同じ仕組みで説明されています(Britannica)。

4. 確かめられてきたこと

ダウジングを確かめる実験は、1880年代後半から行われてきました。 長い歴史があるぶん、調べられた回数も多い分野です。

結果についてはっきり申し上げると、管理された条件のもとで、偶然を超える的中は確認されていません。器具の動きは観念運動で説明がつく、というのが現在の一般的な見方です。

※ この記事は、ダウジングを否定するために書いたものではありません。 数百年続いてきた文化として、何が分かっていて、何が分かっていないのかを、そのままお伝えしています。

5. sumai での扱い

sumai では、磁場調査として、担当者が現地でダウジングを行っています。

そのうえで、ご案内のページにもはっきり書いているとおりです。

  • 計測器で数値を測る方法ではありません
  • 科学的に確立された測定方法でもありません
  • 結果は、担当者の所見としてお伝えします
  • 医療行為ではありません。体や健康についてお伝えするものではありません

土地選びの参考のひとつとしてご利用いただくものです。 地盤や地質については、専門の調査をあわせてお受けになることをおすすめしています。

※ くわしくは磁場調査のご案内をご覧ください。

6. 出典

※ ルターの記述(1518年)とミュンスター『コスモグラフィア』の木版画(1550年)は、 『デ・レ・メタリカ』英訳版(1912年、フーバー夫妻による注)に紹介されているものです。