自然素材・リフォーム

2026.9.19

マンション・アパートでもできる、スペイン漆喰の壁

目次 [閉じる/開く]
  1. 1. スペイン漆喰とは?
  2. 2. スペイン漆喰の特長
    1. 2-1. 湿気を吸って、吐き出す壁
    2. 2-2. ビニールクロスを貼らない、塗り壁の仕上げ
    3. 2-3. 塗り壁ならではの風合い
    4. 2-4. 小さな傷や汚れは、部分的に直せることも
    5. 2-5. ついた汚れが、時間とともに目立たなくなった記録
  3. 3. マンション・アパートで取り入れるには
  4. 4. 施工の流れ
  5. 5. ご検討の前に知っておきたいこと
  6. 6. まとめ

一戸建てを建て替えなくても、いまのお部屋の壁を塗り替えることで、自然素材の、健康に配慮した住まいに近づけることができます。 このコラムでは、区分マンションやアパートでも取り入れられる「スペイン漆喰」についてご紹介します。

1. スペイン漆喰とは?

スペイン漆喰は、スペインで採れる石灰石(大理石など)を焼いてつくる消石灰を、主な原料にした塗り壁の仕上げ材です。 石灰を使った塗り壁は、地中海地方をはじめ、ヨーロッパで古くから用いられてきました。

ビニールクロスのように「貼る」のではなく、職人がコテで壁や天井に「塗って」仕上げます。

2. スペイン漆喰の特長

2-1. 湿気を吸って、吐き出す壁

漆喰には、まわりの湿度に応じて水分を吸ったり吐き出したりする性質があり、「呼吸する壁」と呼ばれることもあります。 ただし、実際のお部屋での働きは、塗る面積や厚み、下地、換気、季節などによって変わります。

湿気が多いときは壁が吸い、乾いているときは壁が吐き出す図

相陽建設株式会社が公表している、特定の試験体による吸放湿試験では、次の結果が報告されています。 試験条件のもとでの結果であり、すべてのスペイン漆喰や実際のお部屋で同じ性能を保証するものではありません。

壁の材料平均吸湿量平均放湿量
ビニールクロス14.6 g/㎡5.0 g/㎡
日本の漆喰81.8 g/㎡68.2 g/㎡
スペイン漆喰125.0 g/㎡119.0 g/㎡

出典:相陽建設ウェブサイト「スペイン漆喰」(2026年9月19日閲覧)。同社の掲載による試験機関:福岡県工業試験場、試験方法:JIS A 6906 に基づく吸放湿試験。 製品名・試験日・試験体の厚さは、同社の掲載からは確認できていません。

2-2. ビニールクロスを貼らない、塗り壁の仕上げ

一般的な内装は、ビニールのクロスを接着剤で貼って仕上げます。スペイン漆喰は、その代わりに壁へ塗って仕上げます。 下地処理の材料など、漆喰のほかに使う材料は、お部屋の状態や施工の仕様によって変わります。

※ 相陽建設株式会社は、同社が扱うスペイン漆喰について、ホルムアルデヒドに関する建築基準法の使用制限(いわゆるシックハウス対策)の対象外と公表しています。 使う製品が決まったら、製品名・成分の資料・メーカーなどの証明の資料をお渡しします。

2-3. 塗り壁ならではの風合い

コテで仕上げる、やわらかな陰影。朝と夕方で光の入り方が変わると、壁の表情も変わります。 仕上げの模様や色は、見本を見ながら決められます。

2-4. 小さな傷や汚れは、部分的に直せることも

クロスは、傷みの範囲によって部分補修や張り替えが必要になります。塗り壁は、傷みの状態によって、表面を軽く削る、欠けた所だけ塗り足す、といった手直しができる場合があります。 手直しできるかどうかや、どのくらい長く使えるかは、下地や使い方によって変わります。

2-5. ついた汚れが、時間とともに目立たなくなった記録

漆喉の壁にコーヒーをかけて、そのままにしておいた記録があります。 漆喉屋さんを呼ぶことも、拭き取ることもせず、同じ階段の壁を撮り続けたものです。

漆喉の壁にかけたコーヒーの、2013年3月25日の様子
2013年3月25日かけた直後
漆喉の壁にかけたコーヒーの、1か月後の様子
1か月後すじが薄くなっている
漆喉の壁にかけたコーヒーの、9か月後の様子
9か月後見当たらなくなっている

※ この記録について。漆喉は消石灰が主原料のアルカリ性の材料ですが、なぜ目立たなくなったのか、仕組みを裏づける資料はこちらで確かめていません。
※ 1件の記録です。条件を揃えて行った試験ではなく、写真ごとに角度も違います。 汚れの種類・量・場所・下地によって結果は変わります。
※ 出どころ:澤田升男先生のセミナー資料。

3. マンション・アパートで取り入れるには

区分マンションにお住まいの方

管理規約や下地などの条件が合えば、お部屋の中(専有部分)の壁・天井に施工できる場合があります。 工事の前に、管理規約、管理組合への届け出の要否、施工できる範囲を一緒に確認します。 いまの壁の下地の状態も、現地で拝見します。

アパート・賃貸物件のオーナー様

お部屋の内装を自然素材にすることで、まわりの物件との違いをつくる選択肢になります。 退去後の入れ替えのタイミングでのご相談も承ります。

4. 施工の流れ

塗り壁の工程:養生、下地処理、下塗り、仕上げ塗り
  1. 養生:床や窓、コンセントまわりを汚さないよう、シートやテープで覆います。
  2. 下地処理:いまの壁の状態に合わせて、塗る前の下地を整えます。
  3. 下塗り:仕上げがきれいにのるよう、薄く下塗りをします。
  4. 仕上げ塗り:コテで仕上げ、模様をつけます。乾くまでの時間をおいて完成です。

※ 工程と日数は、お部屋の広さや下地の状態によって変わります。

5. ご検討の前に知っておきたいこと

  • 仕上がりは、職人の腕で差が出ます。塗り壁の経験がある職人が施工します。仕上げの見本もご覧いただけます。
  • クロスより、費用と日数がかかる場合があります。下地の処理や下塗りがあり、乾かす時間も必要です。
  • 下地の状態によっては、下地の工事が必要です。現地を拝見してから、できること・費用・工期をご説明します。
  • 工事の前に、ご説明すること。費用の出し方、見積りに含まれる作業、家具の移動、工事中にお部屋にいられるか、におい・ほこりと養生、乾くまでの目安、 色むらやコテ跡・ひび割れの可能性、お手入れの方法、保証の有無と範囲は、使う製品と現場を確かめたうえでご案内します。 建物の年数によっては、工事の前にアスベストの事前調査が必要かどうかも確認します。

6. まとめ

スペイン漆喰は、住まいを建て替えなくても、壁から自然素材の住まいに近づけられる選択肢です。 区分マンションのお部屋や、アパートの一室からでもご相談いただけます。 「リビングの一面だけ」といったご相談も歓迎です。

このページは素材の性質を紹介するものです。病気の予防や治療を目的としたものではありません。